『ソーシャルヘルスとは』



この度は、株式会社SHP(以下、弊社)に関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。
弊社のサービスはすべてソーシャルヘルス®(以下、ソーシャルヘルス)の観点からデザインされ、構成されております。
ここではソーシャルヘルスについてその概要をご説明させていただきたく思いますので、暫くお付き合いいただければ幸いです。


マーケティングの神様と呼ばれるコトラーは「マーケティングサイエンスは心理学や社会学の進歩に支えられている」と述べています。現代心理学の理論や技術は「すべての人間の心理的活動に関する理論や技術」として適用領域を広げつつあります。このように、心理学の最新の知見は、多くの人のさまざまなデータによって科学的に分析され、経営学や経済学等に幅広くかつ数多く応用されています。私どもは、多くのマーケティングの理論や技術、経営戦略で用いられる分析手法と同様に、研究者の科学的努力によって見出され、データによって実証されたこうした心理学の知見をビジネスに活用し、クライアントの経営課題や事業課題を解決するご支援をさせていただいております。

心理学をビジネスに応用するという点について、マーケティングにおける基本的な考え方、たとえば、リチャード・バレットの「企業も人間の場合と類似した精神性の階段をのぼっていける、そして人間の精神的動機は企業向けに手直しして、企業のミッションやビジョンや価値に組み込める」という考え方や、コトラーの「私たち個人の集合体が社会であり、それを構成する私たちは絶えず、個人間での相互作用と類似した相互作用を個人および社会間でも行っている」という考え方を私どもも肯定的にとらえ、個人向けに考えられた心理学の理論や技術は社会に十分応用可能であると考えております。

こうした中で、「ソーシャルヘルス」という考え方は生まれました。たとえば、コミュニケーション研究における個人と個人の相互作用というパラダイムと同様のパラダイムを社会に関する研究にも適用可能であると考えれば、社会は個人に影響を与える存在というだけでなく、社会を構成する個人もまた社会に影響を与えている、という相互作用の立場から再構成できると考えられます。つまり、個人と社会との相互作用を考えたとき、社会と個人は互いに相互作用を繰り返しながら変化し続けていると考えることができます。

ここで紹介したい理論に、社会心理学の著名な理論のひとつである囚人のジレンマという理論があります。これは、個人の最適な選択が社会として最適な戦略にならないということを証明する理論ですが、先ほどの立場から検討すると、また違った見方をすることができるようになります。個人の選択は社会によってかなり強力に影響されていますが、個人と社会が相互作用を繰り返しながら変化をし続けていると考えるならば、社会そのものが個人に強いる選択肢の影響も絶えず変化していると考えることができ、個人の適切な選択と社会の適切な選択が必ずしも対立や矛盾を生むものではなく、両立し得るという立場で再検討することができるようになります。これは、白黒はっきりさせない日本人特有の考え方であるかもしれませんが、二項対立的な議論よりも多くの選択肢を検討することができ、みなさまが抱える経営課題や業務課題の解決を可能とする「全く新しい選択肢」を生み出すことができるようになるのです。

ソーシャルヘルスでは、「上位社会」、「社会」、「個人」という3つの観点から、みなさまの課題の解決を図ります。その際、「未来構築」、「目標構築」、「解決構築」という3つのプロセスを含む一連のご支援についてソーシャルヘルスアプローチ®として体系化し、みなさまの経営や事業の安定的成長や持続可能性の拡張をご支援させていただいております。ソーシャルヘルスとそのアプローチにはいくつかの特徴的な特色がありますが、中でも、「上位社会」の観点と「未来構築」のプロセスはソーシャルヘルスの特にユニークな特長と言えます。これまでの方法や議論を通じての課題解決に閉塞感を感じていらっしゃるみなさまや、心理学を活用した課題解決にご興味をお持ちのみなさまは、ぜひ、ソーシャルヘルスが生み出す「全く新しい選択肢」のご活用をご検討賜れますと幸いです。

みなさまの中には、社会学と社会心理学の違いのひとつである、政治性と中立性、について気になる方もいらっしゃるかもしれません。最後に、この点について少し私どもの考え方をご紹介いたします。政治性と中立性とは、社会学は「望ましい社会像」や、「正しい社会」といった概念が比較的明確で、社会心理学は価値判断の中立を重んじるため、そうした政治的な正しさについては論じない、というような解釈が一般的です。社会心理学領域の多くの理論や技法はこうした点で、社会の現象や構造に関して説明するものが多く、これまで社会の健康(望ましい形)のような議論は極力避けてきたように思います。しかしながら、こうした、個人と社会の相互作用を考えたとき、近年の健康心理学と類似した立場で、社会の健康についても説明することができると考えております。それは言い換えれば、健康な社会は個人の健康にも影響しているという立場です。メンタルヘルス、という言葉が日本でも定着してきましたが、社会の健康を科学するという立場のひとつとして、ソーシャルヘルス研究を継続して参ります。

ここまで私どものソーシャルヘルスについてのご説明にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。私どもはソーシャルヘルスの促進を通じてこれからも社会に貢献して参ります。どうぞ、温かいご理解とご協力を賜れますと幸いです。とは言え、私どもは規模から言えば大きな研究機関とは言えません。ソーシャルヘルスの研究はまだまだ始まったばかりであり、これまでの実践活動と並行しながら、これから多くの実証的研究が求められることもまた事実であります。これからも、今後の研究成果を社会に還元できるよう努めて参りますので、今後ともみなさまのお力をお借りできれば幸いです。

株式会社SHP代表取締役
須永 直人



※ソーシャルヘルス®およびソーシャルヘルスアプローチ®は株式会社須永総合研究所の登録商標です。



【ソーシャルヘルス®の歩み】

 2007年頃 ソーシャルヘルスという枠組みの検討が始まる。
 2010年 ソーシャルヘルスの考え方に準拠し、組織支援(現ソーシャルヘルスアプローチ®の原型)を開始。
 2012年 ソーシャルヘルス研究会第1回を開催。
 2013年 株式会社SHP(Social Health Promotion Co. LTD.)設立
 2016年 ソーシャルヘルス研究論文が公開される。
 2016年 ソーシャルヘルス研究会2016を開催。


【ソーシャルヘルス研究について】

□審査付き学術論文
 1. 須永直人 2016年5月 臨床心理学の地域社会支援への活用 実践政策学,第2巻,第1号,125-133.
 http://www.union-services.com/pps/pps%20data/2_125.pdf

□ソーシャルヘルス研究会2016
 ソーシャルヘルス研究会2016参加申し込みは締め切らせていただきました。